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減価償却とはなんですか?

 

Q 減価償却とはなんですか?

A 減価償却とは、設備投資などの費用を、一定期間に分けて計上する会計処理のことをいいます。
パソコンやコピー機、自動車や建物などの備品は、それを買った時だけでなく、長い期間に渡り使われるものです。購入した年度に全ての額を計上してしまうと、その年度は費用がかかりすぎということになり、しかし翌年からは利益が出過ぎとなり、非合理的な結果を生むでしょう。
こういったことの防止策になる決まりとして、備品の効果が及ぶ期間(=耐用年数)に分けて、それぞれ費用計上していくのが、減価償却です。

原則として、固定資産の購入に10万円以上かかる場合、減価償却しなければなりません。
減価償却の方法には二種類あります。

・定額法
毎年、同「額」減価償却する方法です。毎年一定額が費用計上されます。
(取得価額―残存価額)÷耐用年数

・定率法
毎年、同「率」減価償却する方法です。償却にかかる額は始めの年に高く、その後低減していきます。
(取得価額―前年までの償却費の合計額)×償却率
※算出された償却額が「償却保証額」(取得価額に当該資産の耐用年数に即した保証率を乗じた額)に満たなくなった年の分より以後は、低減せず、毎年同額となります。

平成24年4月1日以降に取得した償却資産については、定額法償却率を2.0倍した定率法償却率とする方法(=200%定率法)が適用されています。これまでは、250%でした。

固定資産の種類によって、定められている償却率と耐用年数は違います。
たとえば、100万円のコピー機を、リースではなく購入する場合、耐用年数は5年(定額法償却率0.2、定率法償却率0.4)ですので、算出方法は以下となります。

 

1年目

2年目

3年目

4年目

5年目

残存価額

定額法

200,000

200,000

200,000

200,000

199,999

1

定率法

400,000

240,000

144,000

108,000

107,999

1

残存価額の1円は、備忘価額として帳簿に残しておくためのものです。
す。

 定額法と定率法、どちらを使うかは、「減価償却資産の償却方法の届出」を税務署に提出することによって決定できます。提出しない場合は「法定償却方法」をとることになります。

なお特例があり、中小企業などは青色申告法人のため、30万円未満の減価償却資産(少額減価償却資産)については、取得価額を損金にすることが可能です。ただし、限度額が合計300万円と定められています。

領収書に貼るべき収入印紙を貼付し忘れるとどうなりますか?

 

Q 領収書に貼るべき収入印紙を貼付し忘れるとどうなりますか?

A 印紙税法で定められた、契約書、領収書、有価証券といった課税文書の作成に対し、課せられる税金を印紙税といいます。印紙税は国税のうちの1つです。印紙税の納付方法は原則として、納税者(文書作成者)が、定められた金額の収入印紙をその文書に添付し、消印します。
 貼る必要のあった収入印紙を貼付し忘れたり、印紙の金額が足りなかったりしたことが発覚したとき、本来納付すべき印紙税の3倍の過怠税が課税されます(自主的に申し出れば1.1倍となります)。たとえ印紙税の存在を知らなかったとしても関係ありませんので、注意が必要です。
 しかし収入印紙の貼付の有無によって、契約そのものの実効性が左右されることはないです。

 印紙税において、領収書は「売上代金に係る金銭または有価証券の受取書」に当たり、
定められた金額の収入印紙を添付し、消印しなければなりません。
 以下、「金銭または有価証券の受取書」の領域となります。

・レシート、領収書
・受取事実の証明のため、納品書や請求書に「了」、「代済」、「相済」などの記入があるもの
・「お買い上げ票」など、その目的が金銭、有価証券の領収事実を証明するためのもの
 
 売上代金に関わるものは、その金額に応じ200円〜20万円の印紙税がかかります。
 記載されている金額が5万円未満の受取書は、非課税となります。

「金銭または有価証券の受取書」の領域として間違いやすい例を、以下に挙げます。

・クレジット支払いの領収書
 カードでの支払いは、切られた時点ではまだ支払いは完了しておらず、「信用取引」が発生したに過ぎません。そのためクレジット支払いの領収書は該当しません。印紙は不要となります。

・プリペイドカードや商品券を使った支払いの領収書
 これは有価証券の受取と判断されますから、印紙が必要になります。しかしポイントを使った支払いは、金銭や有価証券にあたらないので、印紙は不要です。

・仮領収書
 金銭、有価証券の領収事実を証明するためのものならば、それが「仮」領収書であっても、後に本領収書を発行するか否かに関係なく、印紙税は課税されますので注意してください。

会計帳簿の作成に手が回りません。後回しにしても大丈夫でしょうか?

 

Q 会計帳簿の作成に手が回りません。後回しにしても大丈夫でしょうか?

A たとえ決算まで時間があっても、経費の精算を後回しにするのはあまり好ましくありません。何を何につかったか不明になったり、領収書をなくしてしまったりするおそれもあります。会計ソフトを導入し、自社で記帳をするか、会計事務所に依頼して記帳代行してもらうか、早めに検討しましょう。
 
 税務申告のためだけではなく、自社の経営状態をきちんと把握しておくために、会計帳簿の作成はとても大事です。しかし、専門知識の有無や、時間の問題などで、日々の取引の記録作業は難しいかもしれません。
 そこで利用したいのが、「記帳代行」です。会計事務所に依頼し、会計帳簿を代わりに作成してもらうことです。請求書や領収書を送り、帳簿を作成してもらいます。仕訳の作業は多少なりとも専門知識が必要になるため、かつては中小企業の多くがこの記帳代行を依頼していました。
しかし近年、会計ソフトの増加に伴い、自社で記帳する会社が増えています。自社で会計帳簿を作ることを「自計化」といいます。入力の仕方さえ覚えてしまえば、深い簿記の知識がなくても、難しいことはありません。経営数値に対する感覚を養うことは、会社の運営を続けていくためにとても重要です。会計帳簿を作成することで、それが養われるのはメリットといえるでしょう。
 もしも、ソフトの入力の仕方や選び方で分からないことがあれば、税理士に相談しましょう。記帳の仕方について、初めは税理士から指導を受けるというのでもいいでしょう。記帳代行の依頼をしてもいいでしょう。
 どちらにせよ、会計帳簿の作成を後回しにして放置するのは好ましくありません。
できるだけ早めに検討しましょう。

毎月の源泉徴収の納付の手間を省きたいのですが

 

Q 毎月の源泉徴収の納付の手間を省きたいのですが

A 原則として、給与の支払月の翌月の10日までに、源泉所得税は納付する定めになっています。しかし特例があり、従業員が10名に満たない会社であれば、まとめて半年分を納付できますので、手間を省けるでしょう。これを「源泉所得税の納期の特例」といいます。

[納付期限]
1〜6月までに徴収した所得税は7月10日、7〜12月までの分は翌年の1月20日です。
 
 この特例を適用させたい場合は、税務署に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出してくだい。提出の翌月に源泉徴収する所得税(つまり、翌々月に納付する所得税)から適用となります。提出した月に徴収した所得税については、通常通り、翌月の10日までに納付する必要がありますので気をつけましょう。
 
もし納付期限までに納源泉所得税を納付しないと、以下の2種の罰金が課せられますので注意が必要です。
・延滞税
 納付期限の翌日より2ヶ月間…年に7.3%、それ以降…年に14.6%
・不納付加算税
 預かった税金の10%(ただし、税務署からの指摘の前に、自主的に納付すると5%)

 毎月の源泉徴収の納付は手間がかかります。特例の適用を受けるために早めの申請書の提出が吉でしょう。
 なお、司法書士、税理士、弁護士などの報酬に対する源泉所得税は特例が適用されますが、原稿料、デザイン料などに対するものは対象外です。

「扶養控除申告書」について教えてください

 

Q 「扶養控除申告書」について教えてください

A 「扶養控除申告書」は、従業員が所得税の控除を受ける際、必要不可欠なものです。
 この書類は、初めの給与日の前日までに、従業員から提出してもらいます。万が一忘れないためにも、従業員が入社したらすぐに渡すようにしましょう。
 扶養控除申告書の用紙を手に入れるには、国税庁のサイトにアクセスしてプリントアウトするか、税務署に赴いてください。
 
 この申告書には、該当する扶養家族の年齢、氏名や、障害者の有無といった項目が記載されており、それぞれで所得税が変わります。扶養控除申告書を従業員から受け取ったら、そこに書かれた給与の額と、扶養家族の人数とを「源泉徴収税額表」にあてはめ、給与から差し引くべき所得税の額を計算します。
 「源泉徴収税額表」には3種類あり、「月額表」、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」、「日額表」となっています。毎月の給与支払いの場合は。「月額表」を使用してください。
 主な税率が2種類定められており、「甲欄」(低税率)、「乙欄」(高税率)となっています。「扶養控除申告書」を提出した従業員の分は、甲欄で算出します。提出がない従業員は、乙欄で算出します。
 正社員は当然のこととして、アルバイトやパートの従業員からも、忘れずに提出するようにしましょう。扶養控除申告書がないと、それがたとえ少額な給与だとしても、所得税が最低3%程度かかり、徴収の義務があります。

 従業員から提出された扶養控除申告書は会社に保管しなければなりません(提出期限の属する年の翌年の1月10日の翌日より、7年間の保存が定められています)。

役員給与を減らしたいのですが、株主総会で手続きをすれば可能でしょうか?

 

Q 役員給与を減らしたいのですが、株主総会で手続きをすれば可能でしょうか?

A 役員給与の変更には制限があります。会社設立の段階で熟考することが重要です。
給与の改定が許可される場合について、しっかり確認しておきましょう。
 
 役員に支払われる給与のうち、「定期同額給与」に当てはまらないものの額は、損金に算入されません。
 定期同額給与とは、1ヶ月以下の一定の期間ごとに支給される時期があり、その事業年度の各支給時期における支給額がそれぞれ同額である給与のことを指します。
 ですから、毎月一定額の給与のみ、経費として認められ、それ以外は該当しないのです。

 業績連動型(利益に即して賞与を出す方法)による給与の支給の場合、これを経費として扱うことはできません(一定の法人は業績連動型役員給与の支給が、一定の要件のもと認められます)。

 原則として役員給与の変更は、事業年度開始日より3ヶ月以内でなければできません。
平成19年4月1日より、期中に減額改定したい場合も、以下の事由による場合のみと定められました。

・業績悪化改定事由による減額改定
 経営が行き詰まり、際立って経営状況が悪化し、やむない役員給与の減額が必要なときです。単なる資金繰りの都合や、目標値に業績が届かなかったことなど、一時的なケースは含まれないので注意が必要です。また、役員給与を減額しなければ、利害が絡み合う取引先や株主、債権者などに影響を及ぼすと判断される場合も、含まれます。

・職制上の地位の変更、職務内容の重大な変更による減額改定
 たとえば合併によって職制上、地位が以前と変わった場合や、代表取締役が平取締役に降格した場合などは、給与改定が認められます。
 
もしも今挙げた以外の理由で減額改定に踏み切ると、本来の定期同額給与の額が、改定後の金額とみなされ、改定前の上乗せ部分が損金不算入となります。
 たとえば、最初の4ヶ月の役員給与が80万円で、減額改定をして残りの8ヶ月は50万円にする場合、差額の30万円×4ヶ月分で120万円が損金不算入となります。
 
 以上のように、期中の減額改定はできるだけ回避したほうがよいでしょう。事業の計画をしっかり立て、その計画に適した給与額を制定することが大事です。

事業に関連する支出で領収書のないものも、経費として認められますか?

 

Q 事業に関連する支出で領収書のないものも、経費として認められますか?

A 領収書は、お金を支払った事実の証明書です。事業に関連する支出を経費として計上するためには、領収書の保存が必要です(税法上、7年間の保存が義務付けられています)。
 万が一領収書を紛失してしまったら、発行した店に再発行の依頼をしましょう。しかし発行した側に再発行の義務はないので、本当にそこで商品を購入したかどうか証明できる、客観的な証拠を残しておくことが大切になります。銀行振込を利用した場合は振込明細書が、インターネットの通販を利用した場合はメールや取引画面のキャプチャ画像が、領収書の代わりになり、これが証拠書類として使えます。

以下のものは、領収書が存在しません。
・慶弔金(香典や祝い金など)、パーティ参加費
・電車・バス賃

 電車・バスは長距離利用の場合は領収書が発行されますが、ふつう近距離では発行されません。この場合は代わりに、出金伝票(交通費清算書)に、日付、金額、交通手段・経路、目的などを記録して、保存しておきましょう。
 慶弔金やパーティ参加費は、領収書の存在しない支出の代表例です。ですが事業に関するものであれば、無論のこと必要経費として認められます。招待状やお礼状、メールを印刷したものに、日付、金額、内容などを記録して保存しておけば大丈夫でしょう。

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