役員給与を減らしたいのですが、株主総会で手続きをすれば可能でしょうか?

 

Q 役員給与を減らしたいのですが、株主総会で手続きをすれば可能でしょうか?

A 役員給与の変更には制限があります。会社設立の段階で熟考することが重要です。
給与の改定が許可される場合について、しっかり確認しておきましょう。
 
 役員に支払われる給与のうち、「定期同額給与」に当てはまらないものの額は、損金に算入されません。
 定期同額給与とは、1ヶ月以下の一定の期間ごとに支給される時期があり、その事業年度の各支給時期における支給額がそれぞれ同額である給与のことを指します。
 ですから、毎月一定額の給与のみ、経費として認められ、それ以外は該当しないのです。

 業績連動型(利益に即して賞与を出す方法)による給与の支給の場合、これを経費として扱うことはできません(一定の法人は業績連動型役員給与の支給が、一定の要件のもと認められます)。

 原則として役員給与の変更は、事業年度開始日より3ヶ月以内でなければできません。
平成19年4月1日より、期中に減額改定したい場合も、以下の事由による場合のみと定められました。

・業績悪化改定事由による減額改定
 経営が行き詰まり、際立って経営状況が悪化し、やむない役員給与の減額が必要なときです。単なる資金繰りの都合や、目標値に業績が届かなかったことなど、一時的なケースは含まれないので注意が必要です。また、役員給与を減額しなければ、利害が絡み合う取引先や株主、債権者などに影響を及ぼすと判断される場合も、含まれます。

・職制上の地位の変更、職務内容の重大な変更による減額改定
 たとえば合併によって職制上、地位が以前と変わった場合や、代表取締役が平取締役に降格した場合などは、給与改定が認められます。
 
もしも今挙げた以外の理由で減額改定に踏み切ると、本来の定期同額給与の額が、改定後の金額とみなされ、改定前の上乗せ部分が損金不算入となります。
 たとえば、最初の4ヶ月の役員給与が80万円で、減額改定をして残りの8ヶ月は50万円にする場合、差額の30万円×4ヶ月分で120万円が損金不算入となります。
 
 以上のように、期中の減額改定はできるだけ回避したほうがよいでしょう。事業の計画をしっかり立て、その計画に適した給与額を制定することが大事です。

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