繁忙期と決算期が重なってしまいました。決算期を変更することはできますか?

 

Q 繁忙期と決算期が重なってしまいました。決算期を変更することはできますか?

A 決算期の設定は、会社設立の際の決定事項の一つです。いつにするか特に決まりはないですし(12ヶ月を超える事業年度は不可)、不都合が生じた場合は、株主総会の特別決議などで変更することができます。

 決算期の制定は、以下の観点から検討しましょう。

「業務負荷」・・・決算の前後には棚卸作業などの業務が生じるので、業務負荷が高まります。税務申告は決算期から2ヶ月以内に行う必要がありますが、繁忙期に重なるととても大変です。こうした業務負荷の観点から決算期を設定することは大切です。

「消費税の免税期間」・・・資本金1,000万円未満の会社は、最大2年間の消費税の納税免除が許可される場合があります。最大限このメリットを活かすために、なるべく先に決算期を設定することも一つの考え方です。
消費税は、2年前の事業年度の売上から課税か免税か決定されます。ですから設立して初めの1期目と2期目は売上がないという理由から、納税は免除になります。
しかし平成25年から、資本金が1,000万円に満たない会社でも、無条件に「設立後最大2年間は免税事業者」というわけではなくなりました。
会社設立して最初の第1期の上半期の売上(または給与などの支払総額)が1,000万円を超える場合、次の第2期の納税は免除にならないと定められたのです(例外で、第1期が7ヶ月以下の場合はこれまで同様、免税となります)。
ですので、1期目の最初の6ヶ月の売上、または給与などの支払額が1,000万円を超えなさそうならば、1年目の事業年度が12ヶ月となるように決算期を制定し、超えそうなのであれば、7ヶ月以下としたほうが有利です。

「資金繰り」・・・決算後2ヶ月以内、税金納付のための資金が十分にあり、支払いに対応できるようになっていることも大切です。
資金繰りが困難な時期(賞与の時期や、現金の売上が少ない時期)と重ならないような決算期の設定も重要です。

決算期は株主総会の特別決議などにより定款を変更することにより、これも変えられます。そして税務署、都道府県税事務所、そして市区町村に「異動届出書」と定款変更の議事録を出すのです。
事業年度の変更には、登記の必要がないので、割りかた簡単に手続きが済ませられます。

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