資本金を増やすために現物出資しようと考えています。その為の現物は何でもよいのでしょうか?

 

Q 資本金を増やすために現物出資しようと考えています。その為の現物は何でもよいのでしょうか?

A 現物出資は可能ですが、適正な資産額を計算、評価しなければならず、手間がかかる場合もありますし、会社に損害を与えることもあります。特に安価な現物の出資は、検討する必要がありそうです。現物出資の際は、いくつかのポイントをしっかりとおさえておきましょう。

 資本金は現金以外の資産での出資も可能です(車、不動産、コンピューター、有価証券など)。これを「現物出資」といいます。手間のかからない現金出資のほうが分かりやすいですが、現物出資のメリットは、持っている資産を利用できることにあります。
 現物出資のポイントは、出資する現物の評価額です。きちんと評価しなければ別の株式との間に不公平が生まれます。場合によっては会社に損傷を与えかねません。ですので、より正確で客観的な評価を行うため裁判所から選ばれた検査役による調査が必要になります。ですが、準備のための手続きを行い、調査が完了するまでにはまずまずの日数、そして費用がかかります。
以下の条件を満たすと、検査役による調査は不要となります。現物出資をする際はこの程度の範囲で行ったほうがいいでしょう。

検査役による調査がいらない現物出資
・財産額500万円以下の場合
・有価証券(市場価格のある)で、定款により定めた価額が市場価格以下の場合
・弁護士、税理士、公認会計士などから証明された場合(不動産の場合は不動産鑑定士による鑑定評価も必要です)

貸借対照表上、現物出資は資産として計上可能で、特定して譲渡できるものであれば出資できます。ですので、たとえば書籍や机なども現物出資は可能です。しかしそれぞれの適正な資産額の評価が必要となります(購入時の価格ではなく時価での評価が必要)。
最低資本金制度が無い今、車やコンピューターを出資する場合はありますが、あえて手間がかかる安価な現物の出資で資本金を増やすメリットはあまりないでしょう。

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