夫が昨年死去し、税理士に相続税の申告を依頼しました。申告と納税が終了して、落ち着きました。しかし、申告から2年後の9月に、税理士より、「相続税の税務調査のために日程調整をしたい」という連絡を受けました。その後税理士から事前の打ち合わせもなく、9月下旬の税務調査当日を迎え、私は不安でした。税理士に立ち会ってもらい、任せていました。午前中にリビングにてヒアリングを受けました。2名の調査官が来て、夫の過去の経歴や入院時のことを聞くだけでなく、私や長男にも経歴や財産管理のことなどさまざまなことを聞きました。昼食時には調査官が外へ出たので、私と税理士がリビングに残って午前中の反省をしていました。調査官は夫の口座から引き出していた生活費のことを大変気にしているようでした。13時に調査官が戻り、午後は現物確認を行うとのことでしたので、夫や私の通帳、自宅の権利証などを出すと、これらを調査官が確認し、デジタルカメラで何やら撮影しました。続いて、「貸金庫を見る」と言われ、そこまで行くことをあらかじめ知らされていなかったので驚きました。夫の通帳が何冊か貸金庫に残っており、調査官が通帳をめくっているときに「長男 車 500万円」と書かれたメモが出てきて、騒然となりました。その車は、夫を介護するために使うもので、夫名義でした。長男に運転してもらうことになっていたために、そのメモが残っていて、追徴課税は特に課されませんでした。銀行の貸金庫を見ると言われて慌てることのないよう、税務調査の前に税理士と打ち合わせをしておくべきだったのでしょうか?

 

Q.
 夫が昨年死去し、税理士に相続税の申告を依頼しました。申告と納税が終了して、落ち着きました。
 しかし、申告から2年後の9月に、税理士より、「相続税の税務調査のために日程調整をしたい」という連絡を受けました。その後税理士から事前の打ち合わせもなく、9月下旬の税務調査当日を迎え、私は不安でした。税理士に立ち会ってもらい、任せていました。午前中にリビングにてヒアリングを受けました。2名の調査官が来て、夫の過去の経歴や入院時のことを聞くだけでなく、私や長男にも経歴や財産管理のことなどさまざまなことを聞きました。昼食時には調査官が外へ出たので、私と税理士がリビングに残って午前中の反省をしていました。調査官は夫の口座から引き出していた生活費のことを大変気にしているようでした。13時に調査官が戻り、午後は現物確認を行うとのことでしたので、夫や私の通帳、自宅の権利証などを出すと、これらを調査官が確認し、デジタルカメラで何やら撮影しました。続いて、「貸金庫を見る」と言われ、そこまで行くことをあらかじめ知らされていなかったので驚きました。夫の通帳が何冊か貸金庫に残っており、調査官が通帳をめくっているときに「長男 車 500万円」と書かれたメモが出てきて、騒然となりました。その車は、夫を介護するために使うもので、夫名義でした。長男に運転してもらうことになっていたために、そのメモが残っていて、追徴課税は特に課されませんでした。銀行の貸金庫を見ると言われて慌てることのないよう、税務調査の前に税理士と打ち合わせをしておくべきだったのでしょうか?

A.
 相続税の申告を行ったうち、約2割~3割が税務調査を受けています。調査範囲は、死去した者の財産だけでなく、その親族にまで及びます。あらかじめ税理士に相談し、当初の申告で漏れていたり、気になったりしていることがある場合には、確認しておく必要があります。漏れているものは調査官に隠していると思われて余計に怪しまれます。
 一般的に、税務調査当日は次のような流れとなります。
○午前(10時~12時)は、あいさつ、ヒアリング。
○昼食時(12時~13時)は、調査官は外で食事。
○午後(13時~17時)は、現物確認。自宅内を見学、印鑑の確認、金庫や貸金庫の確認。
 午前にはヒアリンクが行われます。死去した者や家族の経歴、趣味、過去からの住所、財産管理、所得の状況といったいろいろなことを聞かれます。また、死去した者の意思能力につき聞かれる場合も少なくありません。例えば、認知症であるにもかかわらず、長男が300万円を引き出しており、「これは贈与です」と言っても、一般的に認知症患者の贈与は認められません。
 午後には現物確認が行われます。通帳や印鑑、権利証といったものを調査官が確認します。調査官はあらかじめ金融機関において預金の流れを確認できるものの、通帳の現物にはメモが書かれています。特に怪しいことが記されていなければ問題ないでしょう。しかし、「長男に贈与300万円」と記されていて、贈与税の申告がなされていないというような場合には、問題があると思われます。自宅内部も歩いて確認を行います。その時に申告されていない金の延べ棒や、回収しきれていない金銭消費貸借契約書といったものがもし出てきたら、大変です。漏れている財産については、あらかじめ素直に申し出るようにしましょう。
 事業をしていない場合には、税務署の職員と接する機会はあまり無いと思われます。税務調査を受けることとなっても、慌てず、かつ、税務調査に慣れている税理士に相談することが大切です。貸金庫も見られることをあらかじめ知っていれば、慌てることもないはずです。

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