事業年度が1年未満の場合、決算業務の留意点について教えてください。
Q 事業年度が1年未満の場合、決算業務の留意点について教えてください。
A 会社設立初年度は、事業年度が1年未満であることが多く、計算方法で注意しなければいけない点があります。
・減価償却
減価償却費の計算方法です。
取得価額×償却率×実際に使った月数/12
1年未満の事業年度の場合、償却率は変わります。
償却率×当期の月数/12
で計算しましょう(改定償却率)。
さらに、月ごとに按分しなければなりません。
取得価額×改定償却率×事業の用に供した日から期末までの月数/事業年度の月数
・一括償却資産
資産の取得額が10万円以上20万円未満のもの(減価償却の対象となるもの)は、3年間で均等に償却することができ、これを「一括償却資産」といいます。
次の式で計算されます。
一括償却資産の取得価額の合計額×事業年度の月数/36
・交際費の定額控除限度額
中小法人は、年間800万円まで交際費について全額、損金に算入できます。
事業年度が1年未満の場合、
800万円×事業年度の月数/12
で計算した金額が限度額です。
・法人税の軽減税率が適用される課税所得
中小法人(資本金1億円以下の法人)は、法人税の軽減税率が適用できます。年間800円までの所得に対しては、15%(通常は25.5%)の税率で計算されます。
事業年度が1年未満の場合、
800万円×事業年度の月数/12
で計算した額になります。
・少額減価償却資産の特例の限度額
少額減価償却資産の特例により、青色申告法人の中小法人は、取得価額が30万円未満の備品等を一括で損金算入できることになっています(年間300万円が限度額です)。
事業年度が1年に満たない場合の限度額は、次の式で計算されます。
300万円×事業年度の月数/12